スキル面や待遇面が手厚い大病院の実情

500床以上の病床規模を持つ病院は、大病院と呼ばれています。大病院に勤める看護師は、内科や外科といった様々な診療科で実務経験を積むことができます。また、研修会に参加できる機会が多く、スキルアップもしやすいでしょう。

特に、新人看護師にはプリセプター制度が適用され、専属の先輩看護師が看護の基本を手取り足取り教えてくれるため、土台をきちんと固めることができます。看護の基本がしっかりしていれば、今後転職をする場合にも、大半の医療現場で即戦力として働ける人材になれるでしょう。加えて、大病院の看護師は待遇面も充実しています。福利厚生及び給与などは、医療現場の中でも比較的優遇されていると言えるでしょう。

ただし、大病院は研修会などの研修制度が充実している分、看護師の負担も大きくなります。勤務時間を削って参加できる研修会もありますが、休日や退勤後に受講しなければならない研修会もあります。積極的にキャリアアップを求める看護師でない限り、継続的に研修会に参加することは苦痛に感じられるでしょう。

また、診療科の多い大病院に就職する場合、希望する診療科に配置されるとは限らず、人事の都合で、希望しない診療科に回されることもあるということは言うまでもありません。勤務開始後も、不本意な診療科に異動を命じられることも少なくありません。大病院に勤める際には、どんな診療科でも我慢して勤めるという働き方が不可欠なのです。

さらに、大病院では看護師の人数が多いため、人間関係のトラブルが生じやすい傾向にあります。そのため、上司に相談できる雰囲気であったり、周囲のこまめなフォローがあったりする場所であることが望ましいです。中には、院内に相談窓口が設けられている場所もあるため、事前に調べておくことをおすすめします。